仮想通貨、購入時の消費税撤廃へ 「支払い手段」明確化、普及弾みも

金融庁と財務省は12日、インターネット上で取引される「仮想通貨」について、購入する際にかかる消費税を来年春にも撤廃する方向で調整に入った。事業者の納税事務の負担が減り、普及の拡大につながる可能性がある。モノやサービスと異なる「支払い手段」としての位置づけを明確にする。

 今後、与党の税制調査会で仮想通貨の範囲や問題点を議論し、正式に決定する見通しだ。

 今年5月に成立し、来年6月までに施行される改正資金決済法に基づく措置。金融庁は2017年度税制改正要望で、仮想通貨が消費税の対象になるかどうかを整理するよう求めていた。

 金融庁によると、仮想通貨の主流となっている「ビットコイン」に対して、欧米では消費税を課さないケースが多い。

 ただ、仮想通貨は値動きが激しく、投資の対象ともなっている。改正資金決済法では、仮想通貨を決済手段に使える「財産的価値」と定義し、金融庁が監督官庁となり、現金と交換する取引所を登録制とするなどの規制を整備した。

 仮想通貨を巡っては、ビットコイン取引所マウントゴックスの巨額コイン消失事件も発生。利用者保護や、テロ資金源への悪用対策が課題となっている。